時は2018年、マーベル映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズを手がけ一躍人気映画監督の仲間入りを果たしたジェームズ・ガン監督が、突如ディズニー社から解雇を告げられました。
ガン監督の過去のツイート(かなり前の)を取り上げ、不適切だと問題視したことが発端となり、解雇へと発展してしまったわけです。
これはディズニー傘下であるマーベルの映画、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズへの参加を不可能にする非常に残酷な通告であり、当時世間を騒がせた事件でありました。
まあ最終的には解雇は取り消され無事復活を遂げるんですが、ガン監督が解雇宣告を受けていたその最中、救いの手を差し伸べる人達がいたのです。
それこそがDC/ワーナーブラザーズ。
これをきっかけにしてジェームズ・ガン監督が手がける新・スーサイドスクワッドのプロジェクトが始動していったというわけなんです。
まさに捨てる神あれば拾う神ありですよね。
そしてそんなことから生まれた本作「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党集結」
気持ちの良いまでに傑作でした。
ということで映画「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党集結」ネタバレなし感想です!!!
映画「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党集結」あらすじ
人類最大の危機、それは極秘「怪獣」プロジェクト!?世界の運命を託されたのは、なんと14人全員終身刑のクソやばいヤツら!サメ人間、悪カワ、武器オタ、筋肉野郎、水玉の陰キャ、ほか多数ーー政府指令で、減刑と引き換えに悪党たちが暴れまくる、成功率0%のデス・ミッション開幕!
映画「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党集結」キャスト・スタッフ
- 監督:ジェームズ・ガン
- イドリス・エルバ(ブラッド・スポート)
- マーゴット・ロビー(ハーレイ・クイン)
- ジョン・シナ(ピースメイカー)
- ダニエラ・メルシオール(ラットキャッチャー2)
- シルヴェスター・スタローン(キング•シャーク)
- ジョエル・キナマン(リッグ・フラッグ大佐)
- ヴィオラ・デイビス(アマンダ・ウォラー)
映画「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党集結」ネタバレなし感想
犯罪者チームであるスーサイド・スクワッド自体は、実は過去に一度映画化済みで、2016年にデイビッド・エアー監督によって「スーサイド・スクワッド」というタイトルで公開されております。
こちらは批評的・興行的にどちらも不発に終わりDCの中でも苦い過去の一作として扱われがちな映画。(個人的にはそんな嫌いな一本ではないんですが…)
とはいえエアー版はチームいちの人気者となるマーゴット・ロビーのハーレイ・クインが初登場してるし、他にもアマンダ・ウォラー、リック・フラッグ、キャプテン・ブーメランなんかもここから本作へ再登場しています。
要するに完全にリブートではなく、コンセプトと一部登場人物はそのままにリニューアル的(一応続編)な感じのスタンスになっているのが本作「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党集結」というわけなんです。
ここの前提を知らずに観ると混乱してしまうかもしれないのお気をつけください。
で、肝心の本作の出来栄えはどうだったかというと
一度解雇したディズニーをナイスプレーと称えたくなるくらい最高でした。
とにかくもうジェームズ・ガンらしさが爆発です。コメディシーンは笑えるしアクションだってかっこいい、音楽の選曲やその使い方もセンス抜群。褒め出したらキリがありません。
キャラクター造形だって素晴らしいです。特にピースメイカーなんか「俺は平和の使者だ。平和のためなら女だって子供だって殺してやる」というクレイジーっぷり。このアクの強い感じ、ジェームズ・ガンらしい…。そしてなによりもジェームズ・ガンが本人が好きそうですよね。(本人が一番楽しんでそう。それがイイ!)
そしてジェームズ・ガンは世の中の除け者にされた人達を描かせたら右に出る者がいません。
MCUの「ガーディアンズ〜」だってそうでしたし、監督の過去作「スーパー!」も妻をギャングに奪われた中年おっさんが主人公の復讐劇でした。でもそんな主人公達が除け者、負け犬ながら仲間を見つけてなんとか生きていくんですよね。
その中で絆を築いて家族のような関係になっていったり…と、過激描写があったりクセが強くて強烈なこともしばしばですが、根底で描いているのは家族愛、隣人愛だったりします。
そのコントラストが観ていてとても心地がいいし、やっぱ心を掴まれるんですよね。
本作「ザ・スーサイド・スクワッド」だって同様です。
犯罪者軍団というほぼ人権なしで政府のコマでしかない彼らに、まさかグッと来てしまうなんて思っても見ませんでした。負け犬サイコー。
これまでもジェームズ・ガン作品が好きな人にはもちろん、初めてだけど良質なチームムービーが観たい人には自信を持ってオススメできる一本です。
きっと犯罪者軍団のドラマに不覚にも心奪われてしまうハズです。
きっとディズニーから解雇されなかったら、DCに拾われることもなくこの映画が生まれることもなかったでしょう。そう思うと解雇されたことはある意味最高の意味を持つ出来事だったことに間違いありません…。
あの時はふざけんなと思ったけど…。
まとめ
ジェームズ・ガンがDCに拾われた時、DCコミックスのカタログを渡されて「この中の好きなものを何でも映画化して良い」と言われたそう。
その中にはスーパーマンだってあったそうだけど、ジェームズ・ガンが選んだのはあえてのスーサイド・スクワッド。
制作にあたっては誰を殺しても良いしキャストを変えたって良いとも言われたとのことで、ジェームズ・ガンに与えられた自由度はかなり高かったらしい。実際誰が死ぬかは見てからのお楽しみですが。
ジェームズ・ガンに全幅の信頼を置いて制作の主導権を監督に握らせたDCもなかなかやりますよね。少し見直しました。
今後のジェームズ・ガン監督はいよいよガーディアンズ3への着手ということでまだまだ楽しみが尽きません!!
これからも追い続けます!!
以上!
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