映画「ベルファスト」あらすじ
ベルファストで生まれ育ったバディ(ジュード・ヒル)は家族と友達に囲まれ、映画や音楽を楽しみ、充実した毎日を過ごす9歳の少年。たくさんの笑顔と愛に包まれる日常は彼にとって完璧な世界だった。しかし、1969年8月15日、バディの穏やかな世界は突然の暴動により悪夢へと変わってしまう。プロテスタントの暴徒が、街のカトリック住民への攻撃を始めたのだ。住民すべてが顔なじみで、まるで一つの家族のようだったベルファストは、この日を境に分断されていく。暴力と隣り合わせの日々のなか、バディと家族たちは故郷を離れるか否かの決断に迫られる――。
(映画『ベルファスト』公式HPより)
映画「ベルファスト」キャスト・スタッフ
- 監督・脚本:ケネス・ブラナー
- ジュード・ヒル(バディ)
- カトリーナ・バルフ(母さん)
- ジェイミー・ドーナン(父さん)
- ジュディ・デンチ(ばあちゃん)
- キアラン・ハインズ(じいちゃん)
映画「ベルファスト」感想 心温まる良作!!
シェークスピア劇からマイティ・ソーの監督、ハリポタでオブリビエイトしちゃう変な先生まで
なんやかんやでいろいろやってるケネス・ブラナーが監督・脚本を手掛けた最新作。
完全オリジナル作品ということで、ケネス・ブラナーの幼少期の思い出がかなり色濃く反映されてるんですよね。これ。
あらすじにもある通り、舞台は1969年の「ベルファスト」。
この時ベルファストで何が起きていたかというと「北アイルランド紛争」ってのが起きてたみたい。
これ知ってましたか?
歴史の知識が浅い僕は恥ずかしながら全く知りませんでした。
難しいことは解説できませんが、要するに宗派間による争い。
同じキリスト教の中でも、カトリックとプロテスタントというので分かれていて、当時はかなり激しく対立してしまっていたとか。
そして主人公バディの家族は「プロテスタント」だけど、暴力行為とか他人を傷つける行動には加担しないスタンスを取ります。
最初はメンチ切る程度だったのが、殴り合いに発展し商店は破壊され紛争が泥沼化しちゃうような、そんな中を生きていく少年・バディとその家族のお話でした。
そう言われると、「そんな怖い感じの映画なの!?」と、思う方もいますよね。
しかしこの映画
かわいいんです。
もちろん怖いシーンとか、緊張感走るシーンもあります。時代が時代だからね。
なんですけど、映画は終始「バディ」の視点に立ち、「バディ」の視点から物語を紡いでいるから、ベルファストの景色をバディと一緒に見ることになるんですよね。
悪友にそそのかされて万引きしちゃったり、どうやったら好きな女の子に近づけるのか考えたりするバディと、
それを温かく見守り、アドバイスしたり、ブチ切れたりしながら激動の時代を生きていく家族が、見ていてほんとに心地良いんです。どこか安心する。
そして物語は「家族はベルファストに残るべきか否か」という点にフォーカスしていきます。
映画「ベルファスト」感想(ネタバレあり)
以後、物語の展開に触れます!
未見の方は本編鑑賞後にお読みください。
いやあもうね。何が良いって、好きな女の子とのお話です。
バディが恋してた子は実はカトリック家系の子だったんですよね。
家族はベルファストを離れることに決めますが、それはバディの好きな子との別れを意味する・・・。
小学生ぐらいだと、好きな子と離れるとほんときついですよね。僕もクラス替えとかめちゃくちゃビビってました。どうでもいいですけど。
バディは別れを告げに行ったあと、お父さんにその子と結婚できるか聞きます。子供らしい美しくて純粋な気持ちですよね。
そんなバディにお父さんはなんて言うのか。
胸が打たれました…。
ここばかりは劇場でご確認ください。
まとめ
映画「ベルファスト」はアカデミー賞脚本賞を受賞し、作品賞や助演男優賞(おじいちゃん役のキアラン・ハインズ)もノミネート入りしています。
やっぱそれだけの評価・人気を得る作品だったなあと個人的には感じました。
ほぼ全編モノクロでノスタルジックな雰囲気もあり、フレーミングも非常におしゃれで一つ一つが画になる。
アート映画としてもすごく質が高いんじゃないのかな?と純粋に思います。
正直、題材的にはオールタイムベスト級のがくるかなとかって思ってましたけど、
(ちなみに、オールタイムベストは「ジョジョ・ラビット」)
さすがにそこまでにはならず。
残念でしたが、良作であることは変わりない、優れた一本でした。
そして、昨今の社会情勢の中でこの作品を劇場公開したことに深い意義を感じます。
是非、多くの人に見てもらいたいですね。
以上!
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