もう何人目なんでしょうか。バットマン。
個人的に思い入れのあるバットマンはやっぱりクリスチャン・ベールのバットマン。
今考えるとなぜか全くわからないけど、おばあちゃんちにビデオがあったジョージ・クルーニーのバットマンも印象強い。(思い出補正)
そして今回、満を持して「バットマン」を演じるのはロバート・パティンソン。
しかもデビュー二年目の新米バットマンという捻り方。
話題性も高い、「THE BATMANーザ・バットマン―」感想レビューです!!
映画「THE BATMANーザ・バットマン―」 あらすじ
優しくもミステリアスな青年ブルースは、両親を殺害した社会への復讐を誓い、悪と敵対する存在“バットマン”になって2年が過ぎた。ある日、権力者を標的とした連続殺人事件が発生。犯人を名乗るのリドラー犯行の際、必ず“なぞなぞ”を残していく。警察や世界一の名探偵でもあるブルースを挑発する。史上最狂の知能犯リドラーが残した最後のメッセージは「次の犠牲者はバットマン」。社会や人間が隠してきた嘘を暴き、世界を恐怖に陥れるリドラーを前に、ブルースの両親は狂気に変貌していく。リドラーが犯行を繰り返す目的とはいったい―――?
(公式HPより)
映画「THE BATMANーザ・バットマン―」キャスト・スタッフ
- 監督:マット・リーヴス
- ロバート・パティンソン(ブルース・ウェイン/バットマン)
- ゾーイ・クラヴィッツ(セリーナ・カイル/キャットウーマン)
- ジェフリー・ライト(ジェームズ・ゴードン刑事)
- ポール・ダノ(リドラー)
- コイン・ファレル(ペンギン)
- アンディ・サーキス(アルフレッド・ペニーワース)
こう並べるとなかなか豪華。
映画「THE BATMANーザ・バットマン―」感想(ネタバレなし)
もはや「バットマン映画」じゃねえ…。
観た後そう思いました。ちなみにめちゃくちゃ良い意味です。
DCコミックス原作の映画で記憶に新しい「JOKER/ジョーカー」、
あれは監督のトッド・フィリップスが「アメコミ映画」というパッケージを借りて、
1960年代前後に公開していた、名作の数々(「タクシードライバー」、「カッコーの巣の上で」などなど)を意識した映画を作りたいとの熱烈な思いから完成した映画でした。
「ジョーカー」別記事を書いてますので、こちらも何卒。
「JOKER/ジョーカー」では主演のホアキン・フェニックスの怪演も相まって、
「アメコミ映画」にとらわれない非常に質の高い人間ドラマとして完成されていました。
本作「THE BATMANーザ・バットマン―」もかなり同じ匂いを感じます。
「ジョーカーの衝撃は、序章に過ぎなかった…」
という、ぱっと見2019年のジョーカーと直接的なつながりを想起させるキャッチコピーは
めちゃくちゃ嫌悪感がありましたが、観てみると「まあある意味そうか…」とは思うくらいには、かなりリンクしている2作です。
アメコミ映画ではなく、ミステリースリラーもの。
上記のようにかなりこれまでの「アメコミ映画」とはだいぶテイストの違うんですが、完全にミステリースリラーものとして成り立っています。
ほんとに、バットマンの映画を見ているということを忘れます。マジで。
そして忘れているところ、でかい図体から繰り出される”暴力性”に
「ああ…”バットマン”だ…ここゴッサムシティだったわ…」
と、ブルースのパワフルな腕っぷしに首元から引き戻されるような、そんな映画体験です。
キャストの安定感とキャラクター性
特筆すべきは、キャストの抜群の安定感とそのキャラクター性です。
名だたるキャストか並んでいるだけあって、本当に皆さん素晴らしい演技でした。
デビュー2年目という、今までなかったバットマンを演じたロバート・パティンソンは、
その”不安定さ”や”闇”の部分の表現の仕方が抜群にうまく、
「俺は俺できついけどとりあえずバットマンとして悪を滅しないと…」的な、
「おおおおいおい大丈夫か!?!?」と言ってしまいそうになるけど、なぜか信頼してしまうような繊細で粗削りなバットマンを非常によく演じていました。
そして今回の悪役・リドラーを演じたポール・ダノ。
この方、個人的に結構思い入れのある方で、
「リトル・ミス・サンシャイン」では、夢を叶えるまでは喋ることをやめた青年を演じていましたが、その存在感は抜群でしたし(作品自体もめっちゃ好き。)
彼が初監督を務めた「ワイルド・ライフ」は2019年公開の映画の中で一番好きでした。
そんな彼が、今回”最狂知能犯”であるリドラーを演じるということで、
まあ正直絶対良いのは分かってたんですが、
やっぱりめっちゃ良かったです。
タイマンで戦ったら、その辺のヤンキーでも倒せちゃうようなキャラクターなんですが、
抱える”悪”の部分が段違いに狂っていて、それでいて常人には太刀打ちできないような賢さを持つ、
”知能犯”の模範解答はこれだろと言いたくなるようなリドラーを完璧に演じています。
普段からオドオドした感じの役を演じることの多い彼ですが、そこに悪のエキスを加えたような、こちらも見事な化学反応を起こした最高の演技でした。
他にもゾーイ・クラヴィッツやアンディ・サーキス、コリン・ファレルなど
一人ひとりピックアップしたいぐらい、それのぞれのキャラクターが立っていてめちゃくちゃよかったです。(割愛しますが)
まとめ
正直どんなもんかなとは思っていましたが、フタを開けてみると
過去のミステリー名作から存分にインスパイアされた、非常に質の高いミステリースリラーに仕上がっていました。
「JOKER/ジョーカー」でもそうであったように、
アメコミ映画やユニバース化の枠に縛られることなく、
一つの作品としてのクオリティを目指すことに注力する今のスタイルを
今後もDCが続ける限り、喜んでついていこうと思います。
そういえばコリン・ファレルが演じた「ペンギン」のドラマシリーズも製作が決定したみたいですね。
こちらはワーナーお抱えのHBO maxが製作ということなので、
日本では多分U-NEXTで観れるようになるんじゃないでしょうか。
ということで、映画「THE BATMANーザ・バットマン―」、快作でした!
以上
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