マーベル・シネマティック・ユニバース。通称MCU。
2008年の「アイアンマン」から始まったこのユニバースは、今や世界のトレンドを産む巨大フランチャイズとして大成功し、新作は常に注目を浴びる前代未聞の作品群でございます。
まあ改めて説明する必要すらないですね。
2022年では「スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム」の大ヒットとその内容の衝撃が記憶に新しいMCUですが、いよいよマルチバースの名を冠する作品が満を辞して登場です。
それが本作、「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」
今後のMCUにおいて、一つの大きな根幹となり得る重要なターニングポイント的本作、最高でした…。
そんな感じで、ネタバレなしレビューです!
映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」あらすじ
元天才外科医にして、上から目線の最強の魔術師ドクター・ストレンジ。
時間と空間を変幻自在に操る彼の魔術の中でも、最も危険とされる禁断の呪文によって“マルチバース”と呼ばれる謎に満ちた狂気の扉が開かれた──。
何もかもが変わりつつある世界を元に戻すため、ストレンジはかつてアベンジャーズを脅かすほど強大な力を見せたスカーレット・ウィッチことワンダに助けを求める。
しかし、もはや彼らの力だけではどうすることもできない恐るべき脅威が人類、そして全宇宙に迫っていた。
さらに驚くべきことに、その宇宙最大の脅威はドクター・ストレンジと全く同じ姿をしていて…。
公式HPより
映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」キャスト・スタッフ
- 監督:サム・ライミ
- ベネディクト・カンバーバッチ(ドクター・ストレンジ)
- エリザベス・オルセン(ワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチ)
- ソーチー・ゴメス(アメリカ・チャベス)
- ベネディクト・ウォン(ウォン)
- レイチェル・マクアダムス(クリスティーン)
- キウェテル・イデフォー(バロン・モルド)
映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」ネタバレなし感想
ついに。ついにですよ。
マルチバース。
いつぞやのコミコンで、ドクターストレンジ2のサブタイトルに「マルチバース」という言葉が入っていると分かった時は、本当にもう興奮でよくわからない感じになってました。Twitterで大騒ぎしたのは覚えてます。
インフィニティ・サーガが終わり、ファンからは待望視されていたマルチバース。それを語る上で欠かせないのが、やはりドクター・ストレンジであり、ワンダ/スカーレット・ウィッチでありアメリカ・チャベスです。
僕は原作に詳しいわけではないですが、フェーズ4以降の鍵となる要素としてマルチバースが描かれるのを本当に楽しみにしていた一人。
MCU的には記憶に新しい「スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム」がありますが、そこでもやはりマルチバースが語られていました。
そしていよいよマルチバースを本気で描く本作が公開。どうだったか。
めちゃくちゃ良かった。
ビビりました。
物語も本当によく交通整理されていて、語りすぎず不足しすぎずのちょうど良い塩梅でマルチバースを描いていく。
さらに監督サム・ライミの作家性が爆発した作風には、本当にヤられました。気持ちが良い。
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MCU最新作として
言わずもがなMCU最新作となると、やはり期待され注目されるのはサプライズや今後を示すストーリーですが、本作を大きく支える一つの魅力がそのキャラクター性の豊かさ。
物語はMCUドラマ「ワンダヴィジョン」から地続きで繋がり、ドクターストレンジとワンダ/スカーレット・ウィッチがマルチバースを巡って争う姿を描きます。
本作で初登場となるアメリカ・チャベスは、演じたソーチー・ゴメスの魅力もあって存在感のある非常に愛らしいキャラクター造形となっていました。ソーチー・ゴメスちゃん、15歳らしいですよ。才能強すぎて怖いです。
とにかくこの映画、登場人物一人一人が良いんです…。
ウォンも、安定の振り回され方でコミカルな要素を持ちつつ、ストレンジの良き理解者として頼もしさだってある。ストレンジの相方マントくんも最高でした。(作品を追うごとに愛くるしくなっているよな…。)
ベネディクト・カンバーバッチもエリザベス・オルセンも重鎮です。それぞれによって練られたキャラクター造形はもう文句の付け所がありません。
特にワンダはこれまでの物語も含め、大きな闇を持つ非常に深みのある素晴らしいキャラクターだと感じました。
正直なところ…
本作はマルチバースを扱うということで、どうなってしまうのか心配もあったのが正直なところ。
設定の難しさからまとまりがない話にならないか、世界観に置いていかれないか、そもそもここで失敗すると今後かなりきついぞ…などなど、ただの凡人が余計な不安ばかり募らせていました。
が、本作は良い意味で“語りすぎない”作風を貫き、解釈に余白を持たせながらもMCUの世界におけるマルチバースをあり方を決定づける素晴らしい語り口の作品なんです。
抱いていた不安や心配が恥ずかしくなるほど、キチンと交通整理されていました。
もちろんサプライズだって健在。
これは観てからのお楽しみですが…
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サム・ライミ・オブ・マッドネス
そして本作で特筆すべきは、やはり監督サム・ライミの作家性。
いやほんと、ここまでとは思っていませんでした。
MCUは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の成功からか、監督の作家性や手腕をそのまま作品に反映させているスタイルが目立ちます。
ガーディアンズを手がけたジェームズ・ガン、単作では評判が悪かったソーシリーズを蘇らせたタイカ・ワイティティとの仕事なんかがわかりやすいですかね。
本作「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」はそのスタイルの新境地とも言えるほど、サム・ライミの作家性が爆裂した超成功例と言えるのではないでしょうか。
いやほんと、マジで良かったです。
おそらく、制作過程ではもっと強烈な描写があったり、それをどうするかというサム・ライミとマーベル/ディズニーのキャッチボールがあったと思うんですが、
それでもここまで監督の作家性を落とし込んだのは本当に素晴らしい。かつ面白いですからね。バケモンです。
サム・ライミといえば「死霊のはらわた」が印象強いホラー映画界の重鎮監督です。
その監督が描く「ドクター・ストレンジ」とはどんな映画なのか。
MCUはミニシリーズ「WHAT IF…」もありましたが、「もしもサム・ライミがMCUを撮ったら…」という回なんじゃないかと錯覚するほどの親和性でした。
MCU最新作でありながら、れっきとしたサム・ライミ作品であったあたり、一つの作品として完成されていると思わざるを得ません。
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まとめ
もともと本作は前作の監督スコット・デリクソンが監督を続投する予定だったところ、スコット・デリクソンがプロデューサーに回ったことから後任としてサム・ライミが選ばれた形でした。
この経緯も今思うと、奇跡と思えます。
本作はMCUファンはもちろん、往年の映画ファンにもオススメできる映画ですので、
是非、巨大スクリーンでこの衝撃と感動を味わっていただきたい一本です。
MCUまだまだ病みつきです…
以上!!
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