僕はマーベルが大好きです。
多くの人がそうであったように、サム・ライミ版の「スパイダーマン」で心震わせマーベルコミックスというものを知り、アメコミ映画にはハズレがないという通説を信じた少年時代を過ごしました。
スパイダーマンに始まり、X-MENやファンタスティック・フォー、父親に激推しされたブレイドや、今となってはネタと化したグリーン・ランタンだって欠かさず観てました。
そんな僕が2008年に出会ったのが「アイアンマン」
あとはどうなるかなんとなくわかりますよね。
それはもうハマりました。恥ずかしげもなくハマりました。
というか今も現在進行形でMCUは大好きですし、一つ一つの作品でこうして記事が書けるくらいには大好きなシリーズです。それだけでなく、ユニバースという作風・概念を業界に定着させた功績は、ひいき目なしに素晴らしいとさえ思っています。
時は過ぎて2022年。色々な映画が作られ、MCUを真似して失敗する映画だってできましたし、MCUに便乗する映画だって出来ました。
そのMCUに便乗する映画こそが、本作「モービウス」でありそれを含めたSSU(ソニー・スパイダーマン・ユニバース)という作品群です。
SSUとは、マーベルヒーローの中でも一番人気のスパイダーマンを中心とする、ユニバース化を見据えた作品群の総称。既にヴェノムという一番人気ヴィランの単独作は公開していますし、クレイヴン・ザ・ハンターというこれまた人気ヴィランの映画化も決定しています。
ゆくゆくこれらのヴィランたちとスパイダーマンを共演させて映画を作ろうというわけですね。
もともとスパイダーマンの映画権はSONYが持っていたわけですから、そうしていくことはまあわからなくはないんですが、言葉を選ばずにいうならMCUで更にハネたスパイダーマン人気への便乗です。
まあそういった方針になるのはもっともなんですけどね。稼げますから。
ということでなんとなくわかると思いますが、僕はSSUがそんなに好きじゃありません。というかもう不安でたまりません。
残念ながら映画「モービウス」はその不安感を決定的なものにしたターニングポイント的な一作になってしまいました…
ということで映画「モービウス」感想です!!ネタバレを含みますので、十分にお気をつけください!!
映画「モービウス」あらすじ
天才医師マイケル・モービウス(ジャレッド・レト)。彼は幼いころから血液の難病を患っていた。
同じ病に苦しみ、同じ病棟で兄弟のように育った親友のマイロ(マット・スミス)の為にも、
一日も早く、治療法を見つけ出したいという強い思いからマイケルは実験的な治療を自らに施す。
それはコウモリの血清を投与するという危険すぎる治療法だった。彼の身体は激変する――
公式HPより
映画「モービウス」キャスト・スタッフ
- 監督:ダニエル・エスピノーサ
- ジャレッド・レト(マイケル・モービウス)
- マット・スミス(マイロ)
- アドリア・アルホナ(マルティーヌ・バンクロフト)
映画「モービウス」感想(ネタバレあり) 62点/100点
まあ冒頭いろいろ書きましたがめちゃくちゃ嫌いかって言われると、まあ別にそうでもないというのがぶっちゃけたところなんです。
いやどっちやねん。て話なんですが、「モービウス」に対するこの嫌悪感の正体はまた後ほど書きます。
良い意味でも悪い意味でも、一昔前に観たアメコミ映画、マーベル映画のような卒なく楽しめるようなエンタメ作でしたし、個人的にアクションシーンなんかは割と好みです。スローモーションの使い方はカッコ良かったし、時折りホラー描写に変わるのも面白いなと。初めて覚醒するところとか結構興奮しました。
MCUとかユニバースやら抜きに、サクッと楽しみたいエンタメ作を探している人には、普通に結構オススメです。皮肉ではなく。
まあただ、MCUも出てきたりDCだって方針を変えて作品の質を高めている今、どうしても見劣りしてしまうんですよね。それなりにアメコミ映画が好きでそこそこの作品数観ている身としては。他が強者だから相対的に出来が悪く見えてしまうんです。
脚本だって、親友がラスボスで同系統のバトルをそれなりにやって倒すというありがちな展開に終始しているし、恋仲になるヒロインだって結構無理やり感があります。まあその辺忘れて楽しむのがアメコミ映画だろうと言われればそうなんですが、
気持ちよくそうなれないのにも喉の奥に引っかかるものがあるが故に、そう簡単に割り切れないんです。
悪いのはモービウスじゃない、SONYだ。
この映画をややこしくさせて結果的に作品の質を落としているのは、他でもなくユニバース化させること、スパイダーマンに絡めることに必死なSONYのせいだと個人的には思っています。
本作は予告の段階からスパイダーマンの存在を激しく匂わせ、スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム後ということもありマルチバースまで予期させるマーケティングでした。
そして蓋を開けてみれば、予告で出てきたライミ版のスパイディポスターもアメイジング版ロゴのオズコープ社も「よお先生」と声をかけるエイドリアン・トゥームスも、全く出てきません。全く。
やばくないですか?めちゃくちゃ引きました。
MCUとかユニバースものの人気に乗っかろうと必死で作品の整合性を無視してまでそんなマーケティングをしているSONYにビビりました。もはや恐怖です。
まぁトゥームスは違う形で出てきましたが、それだってNWHでのマルチバースの法則性を台無しにしかねない、違和感たっぷりの登場でしたよね。(いやあんたの装備そのユニバースで普通に見つかるんかいとか、いやモービウス受け入れんの早すぎだろとか。)
これは本編のシーンですが、チンピラに「誰だお前…」的なこと言われたあとにくる「俺は…ヴェノムだ…!!」も脈絡なさすぎて、専門家に優しく解説してほしいレベルです。
この必死すぎて作品の質と観客の映画体験を損ねていることこそが、冒頭に示したこの映画に対する嫌悪感の正体です。
単体として仕上げようとすればまだどうにかなったんじゃないかと思うと、今作「モービウス」はユニバース化のために踏み台にされた可哀想な映画に思えてなりません。
まとめ
いろいろ言いましたが、これからもSSUを追い続ける人にとっては間違いなく観ておいた方がいい映画です。
このユニバース自体どうしていくつもりなのかよくわかりませんが、
MCUが大事に積み上げてきたものぶち壊すようなことはしてほしくないと、1人のファンとして切実に思います。
次はクレイヴン・ザ・ハンターが公開ですが、純粋に楽しく鑑賞できることを願うばかりです…。
辛口ですんません!!
以上!
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